IT企業は残業が多い?解消に向けた取り組みを紹介します

プログラミング

チーム総合力が弱い

こんにちは、てーやまです。

弊社はソフトウェア業界におけるシステムインテグレータ、いわゆるSIerと呼ばれています。

そして、SES事業、自社製品開発も両輪で行っているIT企業です。

そんな中私自身は、とある開発現場のサブリーダーを担当しており、社会人12年目の中堅社員という立場です。

チーム体制は10名、上流工程からプログラミング、テストまでを一通りこなします。

今年度は大工程スケジュールでも重要な年にあたり、チームとしてもう1歩成熟する必要があります。

そこで今回は、IT企業における問題点とその解決に向けた取り組みといった内容で書いていこうと思います。

仕事には『問題』が付き物です。そして、その問題から『課題』が生まれます。
課題に対して、我々は『取り組み』をする必要があります。

『取り組む』事で『課題』が解消され、結果『問題』が解消されます。

IT企業に関わらず、すべての企業で起こり得ますので、一つの参考になれば幸いです。

それではいってみましょう!

問題:残業が多い

皆さんも聞いたことがあると思いますが、IT企業はしばしば残業が発生します。

勿論企業によると思いますが、SESとして客先常駐している場合は比較的多いです。契約的にどうこうという話もありますが、これは経験上。

うちのチームの平均残業時間は月40時間ほど、平均すると毎日2時間残業していることになります。

それでは、何故そんなに残業が多いのでしょうか。
もう少し掘り下げてみましょう。

課題①:特定の社員に作業が偏っている

Aさんは上流から下流まで様々な工程を経験し、知識量も多く手も早い、ベテランエンジニアです。

Bさんは下流しか経験しておらず、言われた通りのことを期間までに終わらせるのが手一杯です。

上記のような体制は多くのチームで見られる光景です。
社会人年数が違うベテランとルーキーが混在してチームを構成するので当たり前の光景ですが、ここに落とし穴があります。

その落とし穴とは、上記の図式を全員が認識しているので、Aさんに作業が集中してしまうことです。

Aさんは、予定されている自作業に加えて、後輩からの相談、想定外事象の調査・解決の立案、顧客対応、他会社との連携など、業務が多岐に渡ります。

結果、Aさんの残業:70時間、Bさんの残業:20時間

これは極論でだいぶ盛っていますが、仕事がデキる奴の残業だけ増えるわけです。

これが一つ目の課題、「特定の社員に作業が偏っている」ですね。
平均すると40時間ですが、ある特定の社員が引き上げてしまっているわけです。

では、次の課題に進みましょう。

課題②:チーム総合力が弱い

チーム総合力が弱い

課題①でもありましたが、Aさんはベテランエンジニアである為、ほとんどの作業はAさんが担当した方が効率的に終わります。

それはチームメンバー誰もが認識しており、Aさん本人も分かっている為、自分でやってしまいます。

そうなると、他のメンバーがその作業を担当する機会がなくAさんにしか出来ない作業となってしまいます。

その結果、後輩が育たずAさんだけが突出した総合力が弱いチームができてしまうわけです。(スラムダンクの湘北高校ですね。この例え通じるかな…)

そうなると益々、Aさんの残業が増え、チームは育っていかないという悪循環に陥り、いつまで経ってもチーム全体の残業時間が減っていかないのです。

そこで、その課題解消に向けた取り組みに移っていきましょう。

取り組み:平準化とベースアップ

ここまでで『問題』と『課題』について書いてきましたが、課題をもう少し単純に書くと以下のようになります。

  • 作業が一人に集中している
  • 他メンバーが育たない

だから、残業が多いという問題点が生まれているわけです。

これを解消する『取り組み』は、文章で書くと以下のようになります。

Aさんの作業をBさんに担当させれば良い

こうすればAさんに集中していた作業が減り、Bさんも育ちます。

では、具体的にどうやって?下の図を使って実践することにしました。

担当作業分類表

例えばAさんに仕事が割り振られた時に、その仕事は上図のどの分野に当てはまるか考えてもらいます。

その仕事はどの程度の内容なのか、Aさんの物差しで測ってもらうわけです。

上図を使って課題を解消していく手順を解説していきます。

ポイント①:ビジネスを念頭に置く

企業として存続するうえで利益を出していかなくてはなりません。

先の図を使用して仕事を分類するうえで、『その仕事は自分の会社にとってどの程度ビジネスになるか』を意識して分類してもらう必要があります。

例えば、顧客からの問い合わせ対応がAさんに割り振られたとしましょう。

ここで的確な答えを素早く回答することは、自社を顧客に対してアピールすることになります。

顧客に認められれば、継続して仕事を受注できたり、新規案件を紹介してもらうチャンスに繋がりますよね。

こういった、その仕事がどの程度自社にとってビジネスになるかを考えて仕事を分類します。

ポイント②:スキルアップを意識する

スキルアップする

また、先の図を使って仕事を分類するうえで、『その仕事は自分にとってどの程度有益であるか』を意識して分類してもらう必要があります。

例えば、簡単なプログラムのテストがAさんに割り振られたとしましょう。

その程度であればAさんにとっては朝飯前であり、Aさんのスキルアップには繋がらない仕事でしょう。

こういった、その仕事がどの程度自分にとって有益であるか(スキルアップに繋がるか)を考えて仕事を分類します。

ポイント③:チームメンバー全員が行う

上記ポイントの①と②をチームメンバー全員が行います。

そして分類した後で、以下の行動を取るようにします。

  • Aに分類された仕事 … その人が担当する
  • Bに分類された仕事 … 誰かに割り振る
  • Cに分類された仕事 … その人が担当する
  • Dに分類された仕事 … 可能であれば外注する

Aに分類された仕事は、会社にとってもその人にとっても有益であり、利益にもスキルアップにも繋がる為、その人が担当した方が良いでしょう。

Bに分類された仕事は、会社にとっては有益かもしれませんが、その規模の仕事をこなせる担当者を増やし、チームの総合力向上を目指す必要があります。
チームリーダーと相談し、担当の付け替えを行います。

Aさんにとっては『B』に分類される仕事でも、Bさんにとっては『A』に分類される場合があります。それぞれの物差しは違うからですね。

Cに分類された仕事は、その人のスキルアップに繋がる為、チームの総合力向上を目指せます。その人が担当した方が良いでしょう。

Dに分類された仕事は、チーム内で話し合って担当を割り振りますが、誰が担当になってもさほど有益でない場合は外注を考えます。

例えば、エビデンスを印刷する等の『誰でもできるような雑用』がこれに該当します。アルバイトに依頼したりして、自社に有益な仕事のみ残すようにしていきましょう。

結果:10時間の残業削減を達成

このようにして、一定の基準を設けて作業を割り振って平準化、さらに各メンバーが成熟してくると、やがて数字として出てくると思います。

私のチームでは、Aさんの残業がグッと減り、その分メンバー全体の残業は増えましたが、大体月30時間前後に収まるようになってきました。

更に現状は、Aさんにしかできなかった仕事をBさんもできるようになり、どんどんチーム総合力が上がってきているので、更なる残業削減に繋がっていくと実感しています。

最後に、Twitterで主に発信していますので、よろしければフォローやコメントお待ちしております。(@Daig_blogrammer)